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T o 記 D o 記   見た映画、読んだ本、旅をして、ときどき感じたこと

2005年1月- 

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2005-10-04 本「その名にちなんで」

2005-09-12 本「クライマーズ・ハイ」

2005-08-22 本「山の向こうの美術館」

2005-07-15 本「おなかがすいたらごはんたべるんだ」

2005-06-15 本 「夏への扉」

2005-05-21 本 「小さな塵の大きな不思議」

2005-04-01 本「社長物語」

2005-03-23 映画「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月」

2005-03-07 本「利重人格」

2005-01-25 CINEMA-2004年-勝手にベスト4

2005-01-22 BOOK-2004年-勝手にベスト4

2005-01-05 旅行「ニュージーランド 1 」


2005-10-04

 本「その名にちなんで」を読みました。

 その名「ゴーゴリ」は、父が列車事故に遭い死にかけたことに関係している。ゴーゴリ少年は、どうしても名前が気に入らずに改名する。やがて、命名にはもっともっと深い訳があったことを知るようになる。

 著者のジュンパ・ラヒリは父母ともにベンガル人。渡米して生活しているが、異文化の狭間で苦労したのだろう。
 似たような境遇の主人公ゴーゴリは、アメリカに馴染みはするが染まりはしない生き方
をする

 父と二人防波堤の最後まで行き、砂地を歩くところがある。

「きょうという日を覚えていてくれるか、ゴーゴリ?」と、父が振り向いて言う。「いつまで覚えてればいいの?」父の笑い声が聞こえた。「ずっと覚えているんだぞ」

 本を読んだというのに後に残るのは鮮やかな映像だった。

 著者は他の作品で、O・ヘンリー賞、ヘミングウェイ賞、ピュリツァー賞などを受賞している。

「その名にちなんで」ジュンパ・ラヒリ 小川高義訳  新潮社 2004年


2005-09-12

 本「クライマーズ・ハイ」を読みました。

 地方新聞記者が同僚と谷川岳の衝立岩登りの計画を立てた。出発前日、御巣鷹山で事故が起きた。1985年日航ジャンボ機墜落だ。事故報道の全権デスクを任されたその記者は上司と部下の狭間で苦悩する。

 著者は自分の新聞記者としての体験も生かし、事故当時と18年後とを絡み合わせて描いている。社会部と政治部の喧嘩、社長派と専務派の権力争い。
 激しい怒号のやり取りを読むだけで震えがくる。さらに記者の息子の問題もあ
り、緊迫した状況から眼が離せない。

 わたしは、この事故の3日後にJAL機に乗ってフランクフルトへ飛んだ。機内は異常に緊張していた。無事に着陸したときに沸いた大きな拍手が今も耳にある。

 日航機墜落からちょうど20年経ったこの秋、NHKで実名ドラマ化される。

「クライマーズ・ハイ」横山秀夫 文芸春秋 2003年


2005-08-22

 本「山の向こうの美術館」を読みました。

 頸髄を損傷し、口に絵筆をくわえて描く星野富弘さん。

 画家としての才能はケガをされてから花開いたと思う。でも、星野さんの小学校時代や、学生時代の絵もわたしは好き。

 「まえがき」に始まり“あとがき”といってもいいエッセイ「新しい美術館」まで、深く暖かく筆力のある文章が続く。1991年『村立富弘美術館を作ろう』と考えた村長の“裏の話”には、たまげた。(読んでのお楽しみ)

 星野さんは少年の日、渡良瀬川で遊んでいて流された。必死で岸を目指そうとしたが戻れなかった。彼は、流されながら考えた。

 「何もあそこに戻らなくてもいいんじゃないか・・・・流されている私に、今できるいちばんよいことをすればいいんだ」

「山の向こうの美術館」 星野富弘 富弘美術館出版 2005年

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 新富弘美術館は、桐生市と足尾町を結ぶ国道122号線のちょうど間にある草木湖のほとりに2005年5月、建ったばかり。

 この本は開館記念出版されたもの。美術館がなければあまり車も人も通らないようなのんびりとした草木湖の眺めと、美しい絵を見た。そのときの風を思い出しながら、この本を読む。

 

別の本からもうひとつ
(詩画集「四季抄 風の旅」より)

「がくあじさい」    

結婚ゆび輪はいらないといった
朝 顔を洗うとき
私の顔をきずつけないように
体を持ち上げるとき
私が痛くないように
結婚ゆび輪はいらないといった

今、レースのカーテンをつきぬけてくる
朝陽の中で
私の許に来たあなたが
洗面器から冷たい水をすくっている
その十本の指先から
金よりも 銀よりも
美しい雫が落ちている


2005-07-15

 本「おなかがすいたらごはんたべるんだ」を読みました。

幸せとは、
空にかかる虹を仰ぐこと。

不幸せとは、
その虹をつかもうと地団駄を踏むこと。

  

過ちには持ち主がいない。
手にした人が持ち主だ。

だから人の過ちも
吹聴してまわっていると
自分の過ちになる。

 

 読んでいると心が暖かくなる。とぼけた味と柔らかい線のイラストは、言葉より多くのものを語りかけてくる。

 

過ぎたことに惑わされるまい。
過ぎたことはすでに消え去ったことなのだから。

 

「おなかがすいたらごはんたべるんだ」イ・ギュギョン 黒田 福美訳 ポプラ社 2004年


2005-06-15

 本 「夏への扉」を読みました。

 恋人も友も発明の特許も、何もかも失った男。高額の契約料を払い、冷凍睡眠の道を選ぶ。
 未来の2000年に目覚めた彼は、タイムマシンで……。

 主人公が飼っている猫は、 『天気は人間が管理するものだ』という哲学を持っている。そして、雪が嫌いである。
 この猫は、家にある12のドアの少なくともどれか一つは夏に通じているという固い確信を持っている。だから、飼い主に一つづつドアを開けることを、せがむ。

 スタートして2ページ目にくる、魅力的なこの状況に引き込まれた。

 この言葉にも惹かれた。
 「もし僕の息子がタイムマシンに乗りたいと言ったらけっして過去へは行くなといおう。未来は、いずれにしろ過去にまさる。誰がなんといおうと、世界は日に日に良くなり勝りつつあるのだ」

 そして猫のこと。
 「彼はいつまでたっても、ドアというドアを試せば、必ずそのひとつは夏に通じるという確信を、棄てようとはしないのだ」

 やや胡散臭さもある。しかし、近未来の文化機器や技術者の頭の中などを知る楽しみもある。

夏への扉 ロバート・A・ハインライン 福島正実訳  ハヤカワ文庫SF 2002年


2005-05-21

 本 「小さな塵の大きな不思議」を読みました。

 「恐竜化石の調査のためモンゴルのゴビ砂漠を訪ねた。調査隊のメンバーの一人が『ゴビの塵はしぶとい、ゴビを離れて半年たっても耳から出てくる』」と書く。その著者の場合はもっとひどい。頭のなかまで塵が入りこみ、いっぱいになりこの本を書いた。

 各章のタイトルを読むだけでも面白い。<一粒の塵に世界を観る> <砂漠の大虐殺> <塵は氷河期に何をしていたのか> <家のなかにひそむミクロの悪魔たち>

 アロマキャンドルとか、化粧品の匂いとかの問題にも迫る。最後の章は<塵は塵に>で、人は死んで塵となる。宇宙もやがて、また塵に返る。

 著者が専門の学者ではないから、科学書でありながらも読みやすい。

「小さな塵の大きな不思議」ハナ・ホームズ 岩坂泰信監修 梶山あゆみ訳 紀伊國屋書店 2004年


2005-04-01

 本「社長物語」を読みました。

 イラストレーターの主人公は、様々な仕事仲間と共同の事務所を借りている。しかし、病気になっても保険がない、カードを作ろうとしても保証がない。そこで会社を設立することにした。

 社長の仕事は決断だ。AかBか。どちらを選んでも大差はない。大切なのはいかに早く結論を出して社員に指示するかだ。どんな結論でも1分以内に出す。迷いといっても、迷う手前で選択肢はかなり淘汰されている。だから最終選択に残ったものはどれを選んでも大差がない。

 主人公と妻が知り合ってから現在までの不思議な関係、会社組織に的確なアドバイスを出す伯父さん、社長と部下との難し〜い関係。

 いっちょう会社でも作ってみるか‥‥あっ、そんな気にはならなかったが面白かった。

「社長物語」薄井ゆうじ 講談社 1999年


2005-03-23

 映画「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月」を見ました。

 32歳だった前作から4年たったブリジット。相変わらず冴えないのに有能な弁護士の恋人がいるなんて、君は敵を作っているね。

 レニー・ゼルウィガーが、自信のない30代女性を過不足なく演じている。あの体型を役のために作ったのだ! きつい下着を着ての、ちょこちょこ歩きがいい。

 「あ、自分と同じだっ!」って思えるドジを繰り返すが、不思議と応援したくなる。

 ブザマでみっともなくて‥‥でもちゃんと愛し愛されるときもくるんだと思える。
 恋人が彼女のどこに惹かれたか? 恋に「ナゼ」は不必要。

 映画に何を求めるか? 「楽しみ」ならば、ピッタリ&オススメ。

「ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月 」
    BRIGIT JONES : THE EDGE OF REASON

  監督  ビーバン・キドロン
  出演  レニー・ゼルウィガー ヒュー・グラント コリン・ファース:
  2004年 イギリス 


2005-03-07

 本「利重人格」を読みました。

 「ワタクシはケータイと、大学生が嫌いだっ!」
 この帯の言葉が、著者の思いを端的に伝えるエッセイ集。
 現在の日本では、多くの人が持っているケータイ。大学進学率も高い。それを「嫌いだっ!」と、バッサリ切る。その理由も納得できる。

 散歩が好きでよく近所を歩く。細かい道も含め制覇する----だいたい二年かかる----と、新天地を求めて引っ越しする。

 自身の結婚も離婚も次の結婚も、サラリと書く。
 また、著者の母親も結婚の相手もそれぞれに有名人だが「だから、ナニ」という態度が心地よい。

 密かに憧れる人だ。監督もいいけれど、俳優としてももっと見たいゾ。

「利重人格」利重 剛 集英社 2004年


2005-01-25

 CINEMA-2004年-勝手にベスト4(順不同)

◎はじまりはオペラ SUFFLOSEN

   監督 ヒルデ・ハイエル
   出演 ヘーゲ・シュイエン スヴェーン・ノルディン  フィリップ・サンデーン 
   1999年/ノルウェー

 オペラのプロンプターをしている40歳くらいの女性。ステージに埋め込まれた小空間に入り、歌手に次のセリフをささやく。彼女は、子どもが二人いる医師と結婚することになった。彼の家には先妻の持ち物や写真がたくさんあるままだ。夫は彼女の仕事には無関心の上、やめて家庭に入るよう迫る。そんなときチューバ奏者と・・・。

 

◎過去のない男 The Man Without a Past(Mies Vailla Menneisyytta)

   監督 アキ・カウリスマキ
   出演 マルック・ペルトラ カティ・オウティネン アンニッキ・タハティ
   2002年/フィンランド/ドイツ/フランス

 夜のヘルシンキ。公園のベンチで暴漢に襲われた男は、過去の記憶を全て失う。無一物の彼に、コンテナでやっと暮らす一家が援助を始める。男は彼らと共に生活を送り始める。そして救世軍からスープが振る舞われる金曜日。男は救世軍の女性と出会い…。

 

◎人生は時々晴れ All or Nothing

   監督 マイク・リー  
   出演 ティモシー・スポール レスリー・マンヴィル アリソン・ガーランド
   2002/イギリス/フランス

 タクシー運転手の夫、スーパーで働く妻、老人ホームに勤める娘、無職の息子。一家4人は会話もなく笑いもない日々をロンドンの集合住宅で過ごしている。夫は車のレンタル代が払えず、子供の小遣いから借りてまで支払っている。ある日、乗せた女客と、人生のこと家族のことを語り合ううちに…。

 

◎隠し剣鬼の爪

   監督 山田洋次
   出演 永瀬正敏 松たか子 吉岡秀隆 緒形拳
   2004/日本

 幕末。東北の小藩。秘剣‘鬼の爪’を伝授された武士が、江戸屋敷での謀反騒動に巻き込まれる。彼は3年前に母を亡くし、独り身。ある日、かつて家に奉公に来ていた百姓の娘に思いがけず再会する。裕福な商家に嫁ぎ、幸せに暮らしていると思っていた彼女は、痛々しくやつれて……。
 


2005-01-22

 BOOK-2004年-勝手にベスト4(順不同)

◎魔法があるなら  The Greatest Store in The World

   著者  アレックス・シアラー 野津智子 訳
   出版社 PHP研究所
   発行  2003

 「スコットレーズ・デパート」という巨大なお店に、お金のない母とその娘二人が閉店間際にやってくる。店員の影が無くなると三人は出てきて、デパートを自分たちの家にして生活する。食べ物も飲み物もオモチャも、一人30台分のテレビもある暮らし。ダイヤモンドもベッドも揃っている。でも、警備員が来たら……。

 

◎鉄塔武蔵野線

   著者  銀林 みのる
   出版社 新潮社
   発行  1994

 5年生の男の子が主人公。夏休みのある日、彼は近所の鉄塔に「武蔵野線75-1」という番号札を見つける。新発見に胸を躍らせて2歳下の友だちを誘い武蔵野線を遡る。「鉄塔を辿っていけば、絶対に秘密の原子力発電所まで行けるんだ」……。

 (読みふけっていてふと目線を上げたら、自分の部屋の窓から鉄塔が大きく見えることに気づいた。驚愕! 今までなにを見ていたのだ!)

 

◎13階段

   著者  高野和明
   出版社 講談社
   発行  2001

 傷害致死事件で2年の刑を受けて仮釈放中の受刑者と、刑務所の刑務官だった男が主人公。二人は、犯行時の記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすための調査を手伝う。もしも成功すれば一千万円もの報酬が出るのだ。その死刑囚は逮捕直前にバイク事故を起こし、犯行時刻の記憶を喪失したままである。処刑までに残された時間はわずか……。

 

◎物書同心居眠り紋蔵

   著者  佐藤雅美
   出版社 講談社文庫
   発行  1997 

 南町奉行所で吟味方の例繰方同心の紋蔵は、仕事中に奇病のため居眠りをしてしまう。俸禄は三十三俵二人扶持で、紋太郎に紋次郎、稲、麦、妙の五人の子持ち。生活は苦しく、妻・里とともに内職に精を出す。頼りなく情けなく見える紋蔵が、不思議なことに事件に巻き込まれると、どういう訳かその真相を探り当て……。


2005-01-05

 ニュージーランドに行きました。

  

サザンアルプスを越えてクライストチャーチへ

 ●人口の10倍の羊

・ニュージーランドの地図を見ると、形は北海道と本州の半分くらいまでとよく似ている。赤道を挟んで日本と反対側にあるから、家々の窓は北に向かって開いている。

・日の出は同じ東なので問題ないが、北が暖かく南が寒いことにはなかなか慣れない。

・人口400万人(2004年6月現在)。面積は日本の約四分の三。静岡県民がこの広さのところに住んでいる感じになる。それも都市集中だから地方の人口密度は低い。羊の数は4,000万頭以上といわれ、人口の約10倍。飛行機の高度が低くなってくると、窓外に点々と羊が見えた。

   

カンタベリー平原を流れる河
遠くサザンアルプス
  
 

 ●花盛り

・花の季節だったが例年より三週間ほど開花が遅れているそうだ。それでもバラは満開、ニュージーランド・クリスマスツリーが真っ赤なねむのような花をいっぱいにつけていた。どの木々も葉っぱの緑が鮮やかで花は大きい。

 

 ニュージーランド・クリスマスツリー  

 ●家とゴルフは安いけど---

・例えばクライストチャーチで土地付き(200〜250坪)の家が、平均1500万円、高級住宅でも2500万円で手に入る。

ハグレー公園のゴルフコース 一回り600円ほど

・ゴルフ場は400もありとても安く、ゴルフ天国。子どもの時からやっている人も多い。

・しかし、スーパーでの物価は日本と同じくらいに高く感じた。レストラン(地元の方が入るところ)も日本と変わらない値段だったと思う。

 ●キウイの子育てと女性参政権

・キウイ自体も想像していたより大きい鳥だったが、その卵は8〜12cmもあり体重の20%になる。難産だそうだ。産卵してから孵化まではオスが80日間も温め続ける。

・世界初の女性参政権導入(1893年)の、輝かしいニュージーランドの歴史はキウイの子育てが貢献しているのかもしれない。
  日本の女性参政権獲得は50年以上も遅れている。

キウイ(剥製)と巨大な卵

・同じキウイでもキウイフルーツの新種でベビーキウイがある。皮まで食べられて美味しいと聞いた。

・こちらの子どもは集荷用の形のそろったものではなく4倍くらいの大きさのキウイフルーツを、学校のランチに持って行って食べているそうだ。

 ●タバコ禁止になったばかり

・2004年12月10日、全てのバー、レストランなど、建物内の公共の場所でタバコ禁止の法律が施行された。違反した際の罰金は、レストランなどは事業者が約3万円、法人だと約30万円。吸った人には罰則なしというから驚き。

・厳しい法律なので、現政権は人気がイマイチと現地の人が言っていた。

 ●マオリの挨拶

・下の写真に並ぶ木彫りの像はマオリの彫刻。舌を出しているのは、初めて会った人などに対して「お前を食ってやるぞ」という威嚇の意味も含めた挨拶。友好的な挨拶は、鼻と鼻同士を2回くっつける「ホンギ」と呼ばれるやり方である。

手前の彫刻は百人乗りの戦闘用カヌーの横腹

・イギリスによる植民地の時代もあるが、ニュージーランドの先住民だったマオリは、強く明るい人々のように感じた。マオリの歴史についても学んでみたい。

 ●柳の緑に啄木をおもう

エイヴォン河畔の柳
きれいな水面にかげを映す

     やはらかに柳あをめる

     北上の岸辺目に見ゆ

     泣けとごとくに  

石川啄木が渋民を出て北海道へ出発する前日、故郷の美しい山を水を野をそして北上川の柳をそのまま詩のように記している。

明治四十年五月三日 (石川啄木 明治四十丁未歳日誌より)

 朝早く起きたり。八時頃金矢家を訪はむとて家を出づ。遠近の山々の蕪?(注)、云はむ方なく春の日に仄めき匂へり。春の山、春の水、春の野、麦青く風暖かにして、我が追憶の国は春の日の照らす下に、いと静かに、いと美しく横はれり。北上川の川岸の柳、目もさむる許りに浅緑の衣つけて、清けき水に春の影を投げたり。

(注)【草かんむり】に【夷】という文字が入る。

・ ここエイヴォン川の柳のたたずまいも美しかった。

 ●再び行きたいマオリの国

・ラグビーのオールブラックスは、第1回ワールドカップで優勝している。キックオフの前にHAKAと呼ばれる民族舞踊をすることでも有名。オールブラックスのグッズを売っている店ではVTR で地鳴りのようなこのシーンを流していた。

・教会のクリスマス特別ミサに加わった。飛び込みの人も温かく迎えてくれ賛美歌のページを教えてくれたりした。炉のようなものをぐるぐる回し、出てくる煙が聖堂内にたちこめていた。

 ポプラ並木のエイヴォン川

・寒い日本の冬を逃れ夏のニュージーランドに行ったつもりだったのに、あまりの寒さにコートが手放せなかった。「暑いクリスマスじゃないから盛り上がらないよ」と現地の人が話していた。

・早朝ウィーンとうなり声をあげ清掃車が来た。車の前には大きな赤くて丸いブラシが二つ。ぐるぐる回るブラシが広場の床を磨き、ブラシに繋がった長いホースがゴミを吸い上げる。ロボットのようにクルクルクルクルすごい速さで広場中を回りあっという間に道路へ出た。とたんにブラシは素早く路面から引き上げられた。

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・最後にマオリ語でご挨拶

 Kia ora(キヨォラ)ありがとう
 Kapai(カ パイ)よかった
 Haere ra (ハエレ ラ)またね

  

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