T o 記 D o 記 見た映画、読んだ本、旅をして、ときどき感じたこと
2006年1月- To記Do記:2005年以前 2006-09-15 映画「佐賀のがばいばあちゃん」 2006-08-01 映画「日本沈没」 2006-07-06 本「オシムの言葉-フィールドの向こうに人生が見える」 2006-06-06 映画「ダ・ヴィンチ・コード」 2006-05-22 本「奇妙な情熱にかられて」 2006-04-19 映画「家の鍵」 2006-04-12 映画「クラッシュ」 2006-03-19 映画「かもめ食堂」 2006-03-05 映画「フライトプラン」 2006-02-08 CINEMA-2005年-勝手にベスト5 2006-01-30 映画「単騎、千里を走る。」 2006-01-29 BOOK-2005年-勝手にベスト5 2006-01-06 旅行「ニュージーランド 2 」 2006-09-15 映画「佐賀のがばいばあちゃん」を観ました。 ・ 監督 倉内均 原作 島田洋七 新幹線の中で、母と別れたため泣きじゃくる男の子がいた。それを見ている会社員が、自分の過去と少年の姿を重ね合わせていく。このトップシーンが、印象的だ。 会社員は幼いころ、事情があって母と離れ佐賀に住む祖母のところに預けられた。祖母の家に着いたその夜、「よう見ときんしゃい」と火吹き竹を使ったご飯炊きを教わる。 教えてもらったことはそれだけじゃない。
母親役の工藤夕貴さんが「台本を読んで大泣きした。日本人って本当に素敵だなぁと感じた」と書いていた。 「まっとうな人間」がどんな人であるかよく分からない。しかし、極めてまっとうな人たちに心を暖められた気分がする。 2006-08-01 映画「日本沈没」を観ました。 小松左京の原作を大幅に変え、最新の学説で日本列島の沈没を描く。駿河湾の大地震、プレートの断裂、阿蘇の噴火。「んっ??」満載だが・・・。 生きていく上で何が大切か、何がいらないか。災害に対していかに備えるか、いかに被害を減らすか。頭の中に鐘の鳴る思いがした。 東京大学地震研究所が、この映画を見た人からの質問にネット上で答えているのを読んだ。
科学的な答えに興味津々だ。 2006-07-06 本「オシムの言葉-フィールドの向こうに人生が見える」を読みました。 7月21日にサッカー日本代表監督に正式に就任した、イビツァ・オシム。
びっくりして何度も読んで・・・納得した。
サラエボに生まれ、祖国分裂のため家族がバラバラになった。オシムは夫人とアマチュア無線で、連絡を取り合った。それも直接声をかわすわけではなく、何人もの人間が、間に入って『こう言っている』『こう答えました』というそんなコミュニケーションだった。
「言葉」というものは確かに独立して存在する。大切なのは「言葉」そのものよりも、それを「誰が言ったか」だろうと思う。オシムは、彼の人生から汲み出した「言霊」を教えてくれている。 「オシムの言葉-フィールドの向こうに人生が見える 」集英社 木村元彦 著 1,680円 2006-06-06 映画「ダ・ヴィンチ・コード」を観ました。 ルーブル美術館の館長が殺される。館長の孫(オドレイ・トトゥ)とハーバード大学教授(トム・ハンクス)がその謎解きに挑む。問題の核心は宗教的なものに絡み、舞台はフランス、イギリスと横移動しながら、歴史の奥へと縦移動していく。 愛はあるけど恋のないオドレイ・トトゥは、アメリ役と違った魅力をみせている。 わたしは「最後の晩餐」が飾られているサンタ・マリア・デレ・グラーツィエ教会を訪れたことがある。古びた絵を20年かけて洗浄し、きれいになったばかりの時だった。入場は完全予約制のはずなのに飛び込みで入れてもらい、「これが、アノ……!」と感動にガクガクした。 そのルーブル美術館やホテルリッツを大画面で見られるのは、しあわせだった。過去と今とが交錯し、オーバーラップし、歴史の現場に立ち会っているような感覚を抱いた。 「ダヴィンチ・コード」 The Da Vinci Code 監督 ロン・ハワード 2006-05-22 本「奇妙な情熱にかられて」を読みました。 取り上げられた「奇妙な情熱」は、ミニチュアへ向かう心・境界線へのこだわり・贋物と本物のあいだ・蒐集への執着の4つである。 蒐集癖の章が特におもしろい。例えば「醤油鯛」集め。「醤油鯛」とは、弁当に入っているサカナの形の小さな醤油入れのこと。九州大学生協の弁当についている醤油入れには「九大生協醤油鯛」と命名し、小さなラベルを添える。 ヒャーッ! 想像するだにドキドキするゥ。
ハーッ! そうなんだァ。 精神科医でもある著者が、患者の例も取り上げ「蒐集」を分析していく。「時間とはもはや取り返しのつかないものであるにもかかわらず…新品同様の過去の物が甦ることで、時間の断片を大切に保存しようとする振る舞い」と著者は解く。 ミニチュアを見ると、なぜ心がときめくのかずっと疑問だった。それは、その小さな物の中に世界を見る、宇宙を見つけるからなのではないか……。自分のときめきの源が垣間見えたかもしれない。 「奇妙な情熱にかられて」ー ミニチュア・境界線・贋物・蒐集 2006-04-19 映画「家の鍵」を観ました。 訳あって、生まれたばかりの息子と15年間離れていた父親。これまで息子を育ててくれた兄から、ベルリンの施設へ連れて行くことを頼まれる。父子は、ミュンヘンからベルリンへ向かう列車内で初めて出会う。息子には障害があった。 父親役のキム・ロッシ・スチュアートがモーレツにイイ。障害を抱えた子を持つ母親役・シャーロット・ランプリングの抑えた姿もこよなく切なく、それを超えて少年役・アンドレア・ロッシの見事さ。彼は、この映画でデビューした。水泳競技会に選手として出ているのを助監督が見つけたのだそうだ。 「泣いたらだめだ。僕がこうして一緒にいるのだから」 15歳のあったかさ、大きさに心が潤んでしまう。 「家の鍵」 Le Chiavi di Casa 監督 ジャンニ・アメリオ 2006-04-12 映画「クラッシュ」を観ました。 ロサンゼルスで、ある交通事故が起きた。そこには、さまざまな人種、職業の人々の人生が絡み合っていた。地方検事と妻、TVディレクターと妻、人種差別主義の警官と若い同僚、雑貨店経営者と彼の家族、鍵屋と彼の家族、……。 人種偏見と一概に言えないような巧妙な差別観が、逃げ場のない苦しい空気を生んでいた。アメリカという国、よく知っているような錯覚を持つが実は分からないことだらけ。 映画に救いを求めるとしたら、この映画には“妖精の透明なマントの片鱗がある”…かもしれない。 「クラッシュ」 crash 監督 ポール・ハギス 2006-03-19 映画「かもめ食堂」を観ました。 フィンランドのヘルシンキで食堂を開いた日本人女性。しかし、1カ月たっても客はゼロ。初めて店に来た日本好き青年に、ガッチャマンの歌詞を聞かれる。「だれだ! だれだ! だれだ!・・・」 の後が出てこない。 小林聡美さんが登場して画面がふっくらと落ち着き、片桐はいりさんが入り、十分になる。そこへ、もたいまさこさんが加わるから、もう恐いモノは何もなくなる。 目の前で料理が次々できあがる。鮭の網焼き、豚カツ、豚のショウガ焼き、肉じゃが、鶏の唐揚げ、おにぎり、卵焼き。・・・おなかが空いた。 シネスイッチ銀座の初日には立ち見も出て、観客数は1706人。最高記録だったそうだ。 原作には、映画では描かれていない食堂開店までのプロセスがあるらしい。読んでみたい。 「かもめ食堂」 監督 荻上直子 原作 群ようこ 2006-03-05 映画「フライトプラン」を観ました。 ヒロインは、航空設計士。突然事故死してしまった夫の棺とともに6歳の娘を連れ、ジャンボジェット機でベルリンから故郷のニューヨークへ向かう。 その機は、彼女の設計したものだった。飛行中、娘が姿を消す。狂気のようにヒロインは娘を捜すが、誰も見たものはなく搭乗記録さえもない。 どこまでが本当で、どこからが空想・妄想かが、入り交じって混乱してくる。しかし、人間に必要なものは体力、気力だ。それに知力もあるといい。あの巨大なハイテク重層ジャンボ機、E−474内を縦横無尽に走り回れるために。 らせん階段付き二階建てキャビンや、広い格納庫。『ホッー、こんなところからあんなところへ行けるのか』。ふだん、客席部分くらいしか知らないから機内の設備にビックリした。 「フライトプラン」 FLIGHTPLAN 監督 ロベルト・シュヴェンケ 2006-02-08 CINEMA-2005年-勝手にベスト5(順不同) ◎クジラの島の少女 WHALE RIDER 監督 ニキ・カーロ 『先祖はクジラにのってやってきた』という伝説を信じるマオリの一家。勇者"ホエール・ライダー"の魂を受け継ぐものとして、村では後継者となる男子を待ち望んでいた。しかし、生まれた双子のうち男の子は死んでしまう。残された女の子は伝説の勇者と同じ名前パイケアと名付けられ、祖父母のもとで育てられるが……。
◎東京ゴッドファーザーズ 監督 今敏 白い雪の降るクリスマス。かつて競輪選手だったギン、ココロは誰よりもオンナのハナ、家出少女のミユキ、三人組のホームレスがゴミの中から“赤ん坊”を拾う。ハナは「ママになれる」と喜び、ギンは「警察に行け」とドヤす。三人は赤ちゃんに名前を付け、その子の親捜しを……。
◎ALWAYS 三丁目の夕日 監督 山崎貴 昭和33年の東京。小さな町工場に青森から集団就職でやってきた少女。彼女は社長秘書になれると思っていた。短気な社長、気配りの妻、元気な息子、向かいの駄菓子屋の売れない小説家、飲み屋の女将、訳ありの男の子。夕日町三丁目に住む人々の喜びと哀しみ、そして……。
◎父と暮らせば 監督 黒木和雄 原作 井上ひさし 「ヒロシマ」の原爆投下から3年。図書館に勤める女性が、生き残ったことを負い目に思いながら暮らしている。彼女は、父に励まされながら仕事をし、恋をし、心の奥に抱える大きな苦悩と闘う。「しあわせになってはいけん」「人を好きになってはいけん」と……。
◎オデッサファイル THE ODESSA FILE 監督 ロナルド・ニーム 原作 フレデリック・フォーサイス 1963年、ハンブルグの若いルポライターが、老人の日記を手に入れた。老人はナチ収容所の残虐な所長たちに復讐しようとしたが果たせずに自殺した。ライターは、元ナチスSS隊員で構成されている謎の組織“オデッサ"の存在を知り、老人に代わって秘密組織に潜入し……。 2006-01-30 映画「単騎、千里を走る。」を観ました。 息子が重い病気になる。長年のわだかまりを抱えた父は、息子が交わした中国の舞踏家との約束を果たすため、中国・雲南省へと旅立つ。父は言葉の通じない場所で、舞踏家の仮面劇「単騎、千里を走る。」を撮ろうと苦労を重ねる。 出演者のほかの主演がいた。それは、玉龍雪山の堂々とした山々。台詞はないが、台詞以上を語っていた。 また、プロではない人たちも主演だった。村人が道に並べた食卓に食べ物を持ち寄って、客人をもてなす「長卓宴」。それが何百メートルも続き、囲む人々がそれぞれ主役に思えた。 高倉健さんの性格そのまま(本当のところはわからないけれど…)の役ももちろん、個人的には チュー・リンさん(日本語の不確かな通訳)がよかった。そして、子ども役もすばらしい。 「単騎、千里を走る。」千里走単騎 監督 チャン・イーモウ 2006-01-29 BOOK-2005年-勝手にベスト5(順不同) ◎ナショナル・ストーリー・プロジェクト 著者 ポール・オースター 柴田元幸 訳 米国の人気作家ポール・オースターが、妻の勧めで“作り話のような実話”を募集した。全米からすごい数の物語が寄せられた。ポールがそれを選びとり、ラジオ番組を通じて朗読し評判となった。 180ある話の中でも、秘書を辞めホームレスとなった女性のライフスタイルが眼を引いた。 「利子収入、月に315ドル。それで賄う。私書箱と収納スペースと、ある家の裏庭の一角を借り、テントで暮らす。大学の授業を取り、大学のプールとシャワーとロッカーを使う。図書館は我がリビングルーム……」
◎空中ブランコ 著者 奥田英朗 悩みを抱え自分ではどうしようもなくて精神科医を訪れる患者たち。それを迎え撃つ強力キャラの伊良部先生サマとミニスカ看護師。 例えば、ジャンプできなくなってしまったサーカス団員に「僕も空中ブランコやりた〜い!」とダダをこねる伊良部サマ。そんな医者と付き合っていくうちに、患者は何が悩みだったか、なんで悩んでいたのかを忘れる。縛られていた観念から解き放たれて……。
◎結婚願望 著者 山本 文緒
◎シェパード THE SHEPHERD 著者 フレデリック・フォーサイス 篠原 慎訳 1957年のクリスマス・イヴに戦闘機が高空で故障した。辛うじて使える燃料計に頼って英国の基地に向かうか、北海の凍てつく海に不時着するか、どちらかしかない。そのとき、旧式の爆撃機が雲の合間に見えた。救援に来たシェパード(“モスキート”という双発爆撃機)だった。 フォーサイスの「ジャッカルの日」や「オデッサ・ファイル」もいいが、この短編集もいい。美味しい料理を食べた口内のような読後感……。
◎ 長い道 著者 こうの 史代 ひょんなことから一緒になった夫婦。江戸っ子は女房を質においても「初かつお」を食べるというが、この夫はカネのためなら女房も質に入れようとする。 短い一話完結のような話だが、いたるところに伏線が絡み合い、彼方まで続く。タイトルに込められた作者の意図も深そう。 哀しくて、切なくて、後ろ向きになってしまいそう。でも、信じられないくらい大きくて明るくて深い心根にもブチ当たる。 2006-01-06 ニュージーランドに行きました。 ●シートベルトは必ず
●安全・安心な食肉
●やたら広い動物園
●港で見かけた日本船
●マオリの ことば
●日本兵のこと・零戦のこと
●帰ってきて またすぐ行きたくなる国
グァム諸島の火山
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