T o 記 D o 記 見た映画、読んだ本、旅をして、ときどき感じたこと 2002年12月- To記Do記 :最新 2004年1月- 2003年7月- 2002年12月- 2002年4月- 2002年1月- 2001年10月- 2001年7月- 2003-06-13 本「間取りの手帖」 2003-06-05 本「日本難民」 2003-05-27 映画「風が吹くまま」 2003-05-01 本「与謝野晶子 童話の世界」 2003-04-28 本「ブラックジャックによろしく」1・2・3・4巻 2003-04-15 映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」 2003-02-27 映画「猟奇的な彼女」 2003-02-19 旅行「台湾」 2003-01-29 BOOK-2002年-勝手にベスト4 2003-01-21 映画「SWEET SIXTEEN」 2003-01-19 CINEMA-2002年-勝手にベスト5 2003-01-16 映画「T.R.Y.」 2002-12-26 映画「刑務所の中」 2002-12-19 旅行「種子島」H-IIAロケット4号機打ち上げ 2003-06-13 本「間取りの手帖」を読みました。 「アレレ?」と思う間取り99件。時々出てくるコラムは、短編小説を読む楽しさ。カバーの裏には載っている全ての間取り図があります。 わたしの場合、必ず玄関からお邪魔し、頭の中で部屋を歩きまわります。 「どれか一つどうしても選べ!」と迫られたら、『No.011、ルーフバルコニーに離れのある15万円』にするか。思い切って『No.002、円形ルーフバルコニーのある仰々しい25万円』にするか悩むところ。 欲しくて本屋さんをいくつかめぐったが「売り切れです。注文待ちになります」といわれ、仕方なくネットで注文しようとしたがこちらも在庫切れ。リトル・モア出版社に直接頼んでやっと手に入れました。 「間取りの手帖」佐藤和歌子 リトル・モア 2003 2003-06-05 本「日本難民」を読みました。 「東京は焼け野原だそうですよ。・・テレビ局とかね、電波関係が真っ先にやられました。・・連合国は日本を抹殺するのが目的だなんていうけど。」と、話は始まります。時代は(はっきり書かれていませんが)今。 ヒロインは夫のいる中年女性。夫婦は人より遅れて避難を決意します。山間の廃れた旅館に着くと、同じように避難してきた数家族がいました。 食料もわずかになり、寄せ集めの人たちと壮絶にそれを分け合います。どれだけ自分の物として隠せるかは大問題。隣人関係、夫と妻の関係。そして、土地の権利書や通帳や現金の価値はゼロに等しく・・・その紙類がいずれどうなっていったかは読んでのお楽しみ。 「日本難民」吉田知子 新潮社 2003 2003-05-27 映画「風が吹くまま」を見ました。 テヘランから700キロほど離れた村へ向かって走る車。中には、TVディレクターと撮影クルー。曲がりくねって続く道に土埃。目的地の目印は「大きな木」とかいうが、どれがその木かわからない様子。でも、そこに学校を早退して迎えに来た少年が待っていました。 印象的なのは、ディレクターの問いに答える少年のコメント。少年は育った村しか知らないけれど、村を好きで祖母を敬っているのが伝わってきます。 クルーが村に来た目的もハッキリしません。ディレクターはボスの指示でしか動けず、携帯電話が鳴るたびに電波の届く高台へ慌てて車で走る姿の滑稽さ。 登場人物たちは少ない上に、ほとんど画面に顔を出しません。顔どころか声すら出てこない人もいます。しかし、姿も顔も声もないが、しっかりとそこに生きている人たちを想像する楽しみがあります。 いま目の前の景色を楽しめばいい、風に吹かれて・・・。 いいな、イラン映画。 「風が吹くまま」 Le Vent Nous Emportera 監 督 アッバス・キアロスタミ 2003-05-01 本「与謝野晶子 童話の世界」を読みました。 六匹目の金魚を追って裏表紙へまわると、金魚はまたつながって表へ泳いでいく。つるつるのカバーを取るとそこは金魚のいない世界。カバーを掛けたり外したり、‘ユメ’か‘ウツツ’か 行きつ 戻りつ・・・。 与謝野晶子の歌はちょっと知っていますが、童話は初めてです。まず、収録されているお話から読み始めました。 「金魚のお使」 『兄さん、金魚をお使にやりませう。』えっ!金魚を?お使いに?? 停車場で切符を買おうとすると、「金魚に切符は上げられない『お手がないから。』と」駅夫に断られます。じゃあ乗れないのかと思うとただで乗せてくれます。 電車がとんねるへ入ると金魚は「暗くなつたものですから夜分になつたのだと『ぐう、ぐう、ぐうぐう。』と鼾をかいて寝て」しまいます。赤と白と斑の金魚が電車に乗っている光景がたまらなく楽しいお話です。 「環の一年間」 天使のような少女環は、新年会の席で五年前に小学校の同級生だった夕月の光のような少女、林子に再会します。環は、化物屋敷と噂される家に住む林子を救おうと出かけます。入り口に立ち中を見廻すと白い紙が貼ってあり「環様・・」と書いてあります。何がはじまるのかと、ぞぞぞっとしてきました。 別の日にまた行くと、紙は跡方もなくそこに大きい時計が掛っていました。戸口から異様なものが出て来て・・。 この作品の執筆中である明治45年5月に、晶子は夫寛を追って渡欧します。 「倫理を始め学問技芸に到るまで其素地は家庭にあつて・・其補助として学校教育がある」という晶子の考え方。 男女を問わず「上品な立派な人間に」なることを願い、「良妻賢母を作る前に立派な娘を作れ、立派な娘を作る前に立派な人を作れ」と呼びかけた、11人の子を持つ母親、晶子。 そして、啄木と同じ空気を吸い啄木から憧れの目で見られた晶子という人に、むくむくと好奇心の湧いてくる本でした。 「与謝野晶子 童話の世界」古澤夕起子 嵯峨野書院 2003 2003-04-28 本「ブラックジャックによろしく」1・2・3・4 巻を読みました。 研修医の目から見た「日本の医療の現実」が画かれています。 看護師が研修医の斉藤先生に“未熟児で生まれた双子の赤ちゃん”のことを語る場面があります。
凄いセリフです。 TVドラマでも「ブラックジャックによろしく」が始まりました。 発売されたばかりの「5巻」を今日買いました。 「ブラックジャックによろしく」佐藤秀峰 講談社 2002 2003-04-15 映画「ボウリング・フォー・コロンバイン」を見ました。 アメリカで銃犯罪が突出している理由・・というよりも、銃犯罪を減少させるにはどうするかを追求していく男。これが監督のマイケル・ムーアです。この映画がアカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞を受賞し「ブッシュ大統領、私たちは戦争に反対する。恥を知れ!」と舞台挨拶で叫んだ人といえば、記憶がハッキリしてきます。 アポイントなし突撃取材の監督は、よれよれのシャツ。「もう一つ質問がある」と人気俳優チャールトン・ヘストンの背中を追い詰めていく姿は、コロンボ刑事と重なります。 タイトルは犯人が事件の朝、ボウリングを楽しんでいたことに由来するのだそうです。 「ボウリング・フォー・コロンバイン」 Bowling for Columbine 監督・脚本・主演 マイケル・ムーア 2003-02-27 映画「猟奇的な彼女」を見ました。 泥酔した女性と地下鉄の中で出会った男子学生。 「ぶっ殺されたい?」が口癖の彼女を好きになったのは、勢いのようなものか。それとも「恋に落ちる」と表現するくらいだから、深い穴に嵌ったか。 うねるようなリズミカルな展開。よく笑いました。 猟奇的な彼女と付き合うには・・・ 二人の遠い未来までを描いているような気もしてきます。 「猟奇的」という言葉は韓国語では「おかしな」「不思議な」「突拍子もないことをする」といった意味だそうです。『クレヨンしんちゃん』も韓国では「猟奇的」と表現するというから面白いです。 パソコン通信に掲載された恋愛話が原作ですが、リアルタイムの恋の行方は知りたくなりますね。 「猟奇的な彼女」 監督 クァク・ジェヨン 台湾に行きました。 小さい島なのに(日本の約10分の1)ゆったりとしておだやかな風景。なんだか故郷を訪れているような気さえしてきました。
2003-01-29 BOOK-2002年-勝手にベスト4(順不同) ◎夢の工房 著者 真保裕一 真保裕一の初エッセイ集。作家デビュー前、アニメーションの世界で働いていたときのこと、映画『ホワイトアウト』に関わった体験談、その他、書き下ろしの短編も収録されている。 ◎家なき鳥 著者 グロリア・ウィーラン/代田 亜香子訳 刺繍が得意なインドの少女。13歳のとき、口減らしのため見知らぬ相手に嫁ぐことになった。夫は難病でわがままな16歳の少年で、結婚生活は多難である。姑の目当ても、ハリの治療に使うための結婚持参金だけ。物語は困難の連続のように見えるが・・・・。 ◎十一番目の戒律 著者 ジェフリー・アーチャー/永井 淳 訳 CIAの凄腕スナイパーが、外国要人の暗殺を決行する。ところがそれは、保身を図るCIA長官の策略だった。暗殺事件の陰にCIAの関与を嗅ぎ取った大統領は、長官を追放しようと事件の捜査を開始する。CIAの「十一番目の戒律」とは・・・・。 ◎恋愛中毒 著者 山本文緒 「・・・・いい子なふりしておいて、あとで本当は嫌だったなんていうのは逆恨みだよ、逆恨み。・・・・」 「じゃあ、もう考えるのはやめろ」 2003-01-21 映画「SWEET SIXTEEN」を見ました。 性能のよくない天体望遠鏡で土星を見せる冒頭シーン。 普通のイギリス旅行では見ることのない知らない国を目撃しました。少年たちがドラッグを売り、町の人々がピザと同じように便利にドラッグを買い求めていました。 「母と一緒の家に住みたい」とこだわり続ける少年の願い。その希望が叶えられるのなら何をしてもいいのでは・・・と、つい少年を応援してしまいそうです。 主な出演者はシロウトで、少年役もプロのサッカー選手だそうです。 「SWEET SIXTEEN」 監督 ケン・ローチ 2003-01-19 CINEMA-2002年-勝手にベスト5(順不同) ◎柳と風 Beed-o Baad Willow and Wind 監督 モハマド・アリ・タレビ ◎熱帯魚 Tropical Fish 熱帯魚を愛する少年。高校入試の前なのに受験勉強も上の空、バス停で見かける少女に淡い恋心を抱いたりしている。ところが、顔見知りの少年と一緒に誘拐されてしまい、海辺の村に監禁される。気のいい誘拐犯の故郷で、「見せ物小屋の蛇女役」の叔母、怠け者でバクチ好きの叔父、しゃべらない妹、ボケたおばあちゃん達との奇妙な暮らしが始まり・・・・。 ◎リトル・ダンサー LITTLE DANCER 監督 スティーヴン・ダルドリー 1984年。イングランド北東部の炭坑町に住む11歳の少年は母を亡くしたばかり。父と兄は炭坑労働者で、ストライキ中のため生活は苦しい。祖母は物忘れがひどくなり、すぐに迷子になってしまう。彼がボクシングの練習に通
っているホールに、バレエ教室が引っ越してきた。ボクシングの練習が終わり、バレエレッスンに飛び入り参加するが・・・・。 ◎あの子を探して Not One Less Yi ge dou bu neng shao 監督 チャン・イーモウ 監督 ジャン・ミシェル・リブ パリの場末で働く60歳になる美容師は、ある晩、運河で自殺しようとしていた若い男を救う。失恋の痛手に打ちひしがれていた若い男は、美容師が以前大女優の髪をカットしていた事を知る。再び表舞台に立つ事を勧める男の言葉に耳を貸さない美容師は・・・・。 2003-01-16 映画「T.R.Y.」を見ました。 今も魅力的な上海ですが、もっとゴタゴタとして何でもありの20世紀初頭の上海。武器商人と陸軍の幹部、新しい中国革命を準備する集団・・・。 「やばくなったら逃げる」をモットーにしているはずの詐欺師が、実際には逃げることが出来ずにいる。そんなヒーローを演じている織田裕二さんが、はまり役。 中国語、日本語、韓国語、英語そしてドイツ語が飛び交う。製作のときは苦労したでしょうと思います。 終わりの頃の映像がいいのですが、それは言えません。 「T.R.Y.」 監督 大森一樹 2002-12-26 映画「刑務所の中」をみました。 「何かが起こる」「きっと起こる」「それは何だろう」と思っているのに、実に平穏のうちに映画は進んでいきます。 それにしてもあの可笑しさは何処からくるのでしょう。真剣に食事し、真剣に髭を剃り、真剣に袋貼りをする刑務所内の日常。 医官役の椎名桔平が堪えられないほど可笑しい。本当はひどい言葉を吐いているのですが、つい笑ってしまいます。香川照之、田口トモロヲ、もちろん山崎努の可笑しさ。 客席の笑いも多かったのは印象的でした。 原作は自分の獄中体験を描いた花輪和一の漫画です。画家の眼はまるでカメラだなと思いました。 『“1週間くらいなら入ってみたい”きっとあなたもそう思うはず』と、キャッチコピーにありましたが、私も真剣にそのことについて考えてみました。 「刑務所の中」 監 督 崔洋一 2002-12-19 種子島に行きました。
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